カタルーニャの魂

ここ数日、ニュースで話題になっているカタルーニャ州の独立問題。国と国とのはざまで政治に翻弄される市民たち、という図式はいつの世にも存在してしまいます。

カタルーニャを音楽でイメージすると、やはりパブロ・カザルスの「鳥の歌」が真っ先に浮かびます。20世紀最高のチェリストが世界に名を広めた故郷の民謡。曲調は非常にメランコリックです。以前、同期の声楽家が日本語で歌ってくれたときには、歌詞の力も合間って感動したのを覚えています。

カザルスは、演奏活動はもちろんのこと、平和活動にも取り組んでいました。晩年の有名なエピソードとして、1971年の国連記念コンサート時に、観客に語りかけたコメントがあります。

「故郷カタルーニャの鳥たちは、ピース(平和)!ピース(平和)!と鳴きながら飛んでいる。鳥の歌は、平和を願うカタルーニャの魂なのだ。」

静かで短い曲ながら、どこかむせび泣くようなチェロの音。平和を願うこの曲は、彼がいなくなったあともなお、人々のこころにしずかに宿り、そして未来へも受け継がれていくと信じてやみません。