No Risk No Fun ーリスクがなければ面白くないー

先日、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組に、現在ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンマス(コンサートマスター)としてご活躍のバイオリニスト、樫本大進さんが出演されていました。いやはや、世界の第一線で活躍している方の仕事ぶりを見るのは大変勉強になるものです。

樫本さんは、わずか7歳でジュリアード音楽院のプレカレッジに入学し、11歳の時に世界的な名指導者であるザハール・ブロン氏に招かれリューベックへ。その後は数々の国際コンクールを総ナメという、素晴らしい経歴をお持ちでいらっしゃいます。でも、花形であるソロイストから、個性揃いのメンバーを率いるオーケストラのコンマスへキャリアチェンジする時は御苦労があったようです。

番組を観ていて印象的だったことが3つあります。1つ目は、コンマスとして認められるまでの試用期間に思われた「たとえ認められなくても音楽を楽しみたい」ということ。あれだけの才能を開花させたあとも更に、オケのメンバーに説得を繰り返しながら信頼を得続け、異例の早さで就任されたというのは本当に素晴らしいことです。

2つ目は、鬼のようなブロン氏から卒業し、20歳の時に出会ったというライナー・クスマウル氏による「音楽家は音楽だけを考えていればいいわけじゃない。いい音楽とは、練習室で練習していれば出来てくるものじゃない。」という言葉。もうこれはウンウンと頷きまくりました。演奏家は自分が奏でる音にその人のすべてが出ると、私は常々思っています。それまで経てきた人生経験や観た景色、色、匂い、それらのすべてがその人の音楽を作ります。

そして3つ目、これは御本人の哲学なのでしょう。演奏はいつも同じじゃつまらない。毎回、本番前までギリギリな感じだけれども、色々と挑戦していく方が逆に集中力が高まって良い音楽ができあがる。No Risk No Fun。リスクを楽しむ気持ちがなければ面白いものはできない、とおっしゃっていたこと。

番組では私の大好きなドヴォルザークの新世界も聴けて満足のひと時でした。もう音がどれも素晴らしすぎて、目がハート。。(←単純。笑)

曲は私の大好きなブラームスの有名なクインテットを。

Johannes Brahms piano quintet in F minor, op.34