Jazz from NY マッコイタイナー

先日、BSの番組で、老年のマッコイを拝むことができました。私にとってマッコイタイナー(McCoy Tyner)といえばモードの神様であり、ペンタトニックのアウトフレーズや4度重ねのVoicing、それから自分の専門楽器から離れて他の楽器を知ることなど、いろいろなことを教えてくれたピアニストさんです。

親日家でもあり、ご家族に日本人がいらっしゃることもあって、来日数はかなり多いのですが、私自身、ここ最近ナマで聴いてなくて懐かしい気持ちに。でも、相変わらず、あのシンコペーションを左手でばんばん弾いて(叩いて)いたのにはびっくり。だって、もうおじいちゃんですよ!骨は大丈夫なのかーとか、要らぬ心配をば。。笑(彼のスタイルのひとつに、低音部を打楽器のように叩くのがあります。)

番組では、昨夏(2017年8月14日)NYのブルーノートで行われたライブの模様を中心に、彼のこれまでの軌跡や、ご家族のコメント等を紹介していました。中でも孫娘のリナターナーさんがお父様から伝え聞いたという、マッコイの仕事ぶりは凄かったです。なんでも、夜中じゅうピアノに向かって作曲をしていて、家族が寝る前にちらっと見たピアノの上のコーヒーカップの位置が、朝起きても同じところにあったという。。(つまり、寝食忘れてということです)そして、30歳過ぎまで芽が出なかった彼の口癖は「ハードワーク」と「あきらめない」だったと。

ブルーノートでプレイされた曲は、コルトレーンから独立後に発表したリーダーアルバムからのオリジナルが殆どで、彼の代表作とも言える「Fly with the wind」「Blues on the corner」「Walk spirit, Talk Spirit」など。ソロとしてご披露していた「I should care」は、うーん、なかなかのワイルドな崩れっぷりがマッコイらしかったです。。笑

壮大でロマンティックで、だからこそ、どこか儚げで哀愁のある作品の数々。東洋的な音楽を取り入れたのも彼の功績ですね。繰り返すリズムで独特のグルーブを作り、聴き手を知らず知らずのうちに恍惚とさせる方法とか。。だからスタンダードナンバーの「My favorite things」なんてハマりにハマる。

この公演名「マッコイタイナーwithフレンズ」のフレンズ達も、一生懸命プレイしていました。サックスのシャーマンアービー(Sherman Irby)は、きっと彼のキャラクターなんでしょうね、「Nearness of you」なんか、優しくて穏やかな歌心がとても良かったです。それから、ベースのジェラルドキャノン(Gerald Cannon)、この方はめちゃ上手かったです。バランスもタイムも良ければ、引き出しも多くあり、またソロでもずっと聴いていたいという、非常にメロディックなラインも披露していました。テクも素晴らしく、4分のカウント120-130で16分音符をロングフレーズとっても崩れない!すごいです。観客の拍手も一段と大きかったような気がします。そして、ドラムのフランシスコメラ(Francisco Mela)、この方は、やっぱり(どうしても?)エルビンジョーンズライクといいますか、こちらも重ねてしまうところがあるかもしれませんが、マッコイのあの世界観にはとても合っていて良かったと思います。でもストロークがもう少しハッキリしてたら、私好みだったかなー。笑

しかし、本場ブルーノートに来ているお客さんも、お店の感じも、日本のそれより、ずっとラフでしたね。日本も、もっとチャージを低く設定して、たくさんの人に来てもらったらー、なんて思ったりしました。

というわけで、動画は彼の代表作を。。ベースは私大絶賛のジェラルドキャノン。
♪Fly with the wind

そして、同曲でもうひとつ。
これはアルバム発表2年後のライブレコーディング、マッコイがキレッキレです。これぞマッコイ。そしてドラムがWoody “Sonship” Theus、又の名をSonship。知名度はあまり高くないですが、ものっすごいスピード感とパッションを持ってる唯一無二のドラマーさんです。数年前に他界してしまいましたが、エルビンの代わりができるのはトニー(ウィリアムズ)と、この人くらいと思うほどのプレイをしています。