デニスコジュヒンのスクリャービン

今日は、ロシア出身である若手ピアニスト、デニス・コジュヒンが、先月末にN響と演奏した時の録画を観たりしていました。

以前聴いたのは、日経ホールでしたか、師匠からチケットを譲っていただいて、彼の胸の鼓動までも聴こえてきそうな最前列の席で拝聴したことがあります。その際はオールショパンプログラムで、ソナタ2番と3番にプレリュード全曲という、精力的なラインナップでした。リーズ国際3位、エリザベート国際で優勝という実績が示すように、とてもクレバーなタイプの演奏家なのを覚えています。

今回、N響とはラフマニノフの4番をメインに持ってきていましたが、それは後日追記するとして、特筆したいのはアンコールのスクリャービンエチュード。クラシックファンならご存知の方も多い、作品2−1、嬰ハ短調。非常にメランコリックなメロディーを持っている、見開き2ページほどの短い曲です。

出だしから通常より少し速めなテンポでしたが、そこはコジュヒンらしさとも言えます。終始バランスを保ち、安定のある構成力でもって聴かせていましたね。でも、とても革新的でリズミカルなラフマニノフのピアコン4番のあとでなければ、テンポも少し違っていたのかな?とも。テクニック的に言うと、後半の内声を聴かせるところが一番のメインに、かなり強いメッセージを出していましたね。この辺りは、彼の実直さが存分に出ていた感じがしました。

まだ30歳という若さを全面に出したパッション。パッションにもじわじわと来るものもあれば、ストレートに訴えかけてくるものもあります。どちらかというと後者なコジュヒン、今後、渋みを増していくであろう過程もまた、楽しみになりました。