ショパンのノクターン8番

ショパンのノクターンというと、おそらく1番有名な曲が、2番(作品9−2)の変ホ長調でしょうか。その次に、戦場のピアニストでも使用された遺作の20番あたり。この2つをとっても、喚起される世界は両極なほど異なりますが、実にショパンはこの色彩豊かなノクターンを、生涯を通して全21曲を残しています。

ノクターンとは、日本語訳で「夜想曲」。つまり夜を想う曲ですね。ショパンが生きていた時代には、当時流行っていたサロン向け音楽の需要が高く、ノクターンのような小品がもてはやされました。現代でいう、ヒット曲を飛ばすにはちょうどよいサイズだったんですね。(今もピアノに親しんでいる皆さんの「いつか弾きたい曲」として大人気です。)

さて、このノクターンで私が1番好きな作品は、と言いますと、8番(作品27−2)変ニ長調があります。この曲は、流れるような伴奏にうっとりするような甘美な旋律を持ち、非常にロマンチックで幻想的。8分の6拍子というのもゆったりと大らかなイメージを喚起させます。

こういう曲は、ポリーニの格調高い演奏が似合います。


これを甘ったるく、そのまま弾いてしまうと、質が落ちてしまいがちです。ショパンはロマン派ですが、こうした耽美な要素を持った曲ほど、主観や感情に溺れずに構成した方が良い場合があります。

秋の夜長にノクターン。この8番もおすすめですよ。